月夜の砂漠に一つ星煌めく
「……はい。2度と、ネシャート王女と、二人きりで会う事はありません。」
「そんな!」
叫ぶネシャートを置いて、俺は背中を向けた。
「お待ち下さい!ジャラール王子!」
「ネシャート、ネシャート!」
追いかけようとするネシャートを、王妃が必死に止める。
「待って下さい!嫌です!私は嫌でございます!ジャラール王子!」
ネシャートの、悲痛な叫びが、耳に届く。
「ネシャート!王子の気持ちが、分からないのですか!」
「別れようとするお気持ちなら、分かりたくはありません!お離し下さい、母上!」
「落ち着きなさい、ネシャート!」
やがて、泣き崩れる声がして、それと一緒に、俺も涙を流した。
ネシャートの部屋から、自分の部屋に帰るには、途中の王の間の後ろにある、長い廊下を通らなければならなかった。
ここは普段、王族しか通る事は許されず、俺はただ一人、泣きながら歩き続けた。
「そんな!」
叫ぶネシャートを置いて、俺は背中を向けた。
「お待ち下さい!ジャラール王子!」
「ネシャート、ネシャート!」
追いかけようとするネシャートを、王妃が必死に止める。
「待って下さい!嫌です!私は嫌でございます!ジャラール王子!」
ネシャートの、悲痛な叫びが、耳に届く。
「ネシャート!王子の気持ちが、分からないのですか!」
「別れようとするお気持ちなら、分かりたくはありません!お離し下さい、母上!」
「落ち着きなさい、ネシャート!」
やがて、泣き崩れる声がして、それと一緒に、俺も涙を流した。
ネシャートの部屋から、自分の部屋に帰るには、途中の王の間の後ろにある、長い廊下を通らなければならなかった。
ここは普段、王族しか通る事は許されず、俺はただ一人、泣きながら歩き続けた。