好きだけじゃどうにもならない私と彼の恋事情
「ごめんっ」
sunny hairstudio
(サニー ヘアスタジオ)
今日も沢山のお客さんの笑顔を見れたなーとやりがいを感じ、帰ろうと思った時、店長から話があると残された。
そして、冒頭に戻る。
「何ですか、ごめんって」
明らかに分かる、けど何か納得いかない。
「その、、昨日の、、」
「キス、したことですか?」
食いぎみにそう答えると、明らかに気まずそうな顔。
この気まずい顔をしているのは早坂大和(はやさかやまと)。
私、泉紗世(いずみさよ)が勤める美容室、sunny hairstudioの店長兼オーナーである。
私は密かに店長に恋していた訳で、お酒の勢いとはいえキスに成功。
したのにも関わらず、謝られてるこの状況。
嬉しい気持ちから落とされたよ。
謝るって後悔してるって事だよね。
「ホントにごめんっ、無責任にそんなことして」
「嬉しかったんで」
ごめんと謝る店長から目をそらさずに言った。
「えっ」
店長は焦りなのか困りなのか、分からないような顔をしたいた。
「嬉しかったんで、謝らないで下さい。私、店長のこと好きなんで」
なに言ってるんだろう。
自分でもそう思うけど、今がチャンスだって思った。
「でも、俺は付き合うとかはっ」
「分かってます」
少し食いぎみに言っら店長は目を丸くした。
付き合いたいかって言われたら、付き合いたい。
でも、簡単に言えない理由が私にはある。
それに、店長が私の事を好きじゃないって知ってる。
「キス、していいですか?」
店長はさらに目を丸くして驚いてたけど、無視して私はキスをした。
「店長が私を好きじゃないのは知ってます。だから、これから振り向かせます。」
好きでいるのはいいですよね?って付け加えたら店長は困ったように笑った。
これで私はスタートラインに立った。