好きだけじゃどうにもならない私と彼の恋事情
今日も慌ただしい1日を終えようとしているその頃、玄関のチャイムがなった。
「はーい」
インターホンを確認すると予想通りの訪問者。
ガチャ
「紗世~、久しぶり~」
「ごめんね、真奈美。こんな時間に読んじゃって、上がって上がって」
「そんなこと気にしないの!紗世の為なら何時だって飛んでくるよ!」
親友の真奈美(まなみ)のその言葉に思わず顔がほころぶ。
「子ども達も寝てるんでしょ?では、大人の時間といきますか」
そう言いながら真奈美はコンビニ袋を持ち上げた。
ビールとおつまみ。本当に分かってるなこの子は。
「で、こんかいはどうしたの」
真奈美がにやけ顔で問いかけた。
「ん、、例のさ、店長のことで、、」
この数日間のことの経緯を話すと、真奈美は今度は
浮かない表情になってしまった。
「それは、やめた方がいいよ。紗世の恋を応援した
いと思ってるけど、紗世が傷つくのは嫌だ」
真奈美の率直な意見に納得している自分と、納得した
くない自分が入り混じっている。
「でも、好きなのをやめるのは難しいよ、、」