「Last note」〜特性を持つ者へ〜4
「本部に莉香ちゃんから
電話あったんは13時半や。」

烏丸が何故か馴れ馴れしく"莉香ちゃん"と呼んでるが今はスルーだ。
ピンクのハンカチで涙を拭きながら、
莉香さんは俺に説明してくれた。

「レナは13時まで休憩だったけど、
時間になっても帰って来なかったの…。
今まで遅刻とかもしない子だったから、気になって外を探してたら…あそこの路地裏で…あの子のネイルが。」

莉香さんが指を指す方向には、
既に鑑識が入っていた。

俺は急いで見に行ってみると、
路地裏の壁を僅かな血で引っ掻いたような跡。

そして地面には、レナさんが付けていた
ボルドーのネイルチップが落ちていたのだ。
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