「Last note」〜特性を持つ者へ〜4
ーガチャ…。

「おはようございます。
…黒田代表、またセクハラしてるんすか?」

裏口から1人、金髪ロン毛のチャラそうな男が入ってきた。

「おはよう忍くん!人聞き悪いなぁ。
体入の"斗真くん"だ。そうだ、君に指導係頼もうかな。俺はトイレ…」

「はーい。」

ダルそうな返事で俺を横目で見てきたが、俺はあくまでも"真面目で礼儀正しい兄さん"を演じた。

「よろしくお願いします!」

「うん。君、黒田代表の好みっぽいから
食われないように気をつけなね?」

「忍」と呼ばれたそいつは、
素っ気ないが何気に気遣ってくれた。
優しい…のかもしれないが、危険な特性保持者が誰かも分からない今は安心できない。

その後しばらく、俺は円香と顔を合わすことも無く1時間ほど指導を受けた。
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