「Last note」〜特性を持つ者へ〜4
まりあさんの発言に、動揺したのを見せないようにグッと堪えた俺は黙って彼女を見つめた。

「こら、まりあさん。いい男だからって手を出しちゃだめよ?!」

雅ママが立つ場所からは、俺が頬にキスされたように見えたらしい。

「分かってるわよ、ママ。
ちょっとした挨拶よ。キャストはどの子?
"エレナ"以上の子にはならないだろうけど。」

「エレナ…って?」

レナさんと名前が似てるだけで、
俺は反応してしまった。

「4年頃前に居たNo.1の子よ。絶好調な時期だったけど、お金も貯まったみたいだし辞めちゃったの。」

雅ママはそう言うと、
自分のロッカーを開けて1枚の写真を見せてくれた。
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