「Last note」〜特性を持つ者へ〜4
獲物を奪われた怒りで、
サキュバスが円香に牙を向いた!

「…ひっ!?」
「きゃあっ!」
まりあさんを控え室の外に突き飛ばした円香。

「私の獲物ォォオ!!!」

「させるかぁあ!!」

ーザクッ……。

ポタ……ポタポタ……。

気づくと、サキュバスの牙が
難波さんの腕に噛み付いていた。

円香は難波さんの腕の中で保護されていて、
腕から零れ落ちる血を見て唖然としている。

「……難波さん…?血が…」

「………不味い。何だ?この…研ぎ澄まされた細胞は!」

噛みついたままのサキュバスが、呟いた。

「青山!"魔性"にかけろ!!」

難波さんの怒鳴り声が合図になり、
俺はサキュバスの頭を右手で押さえ付けた。
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