「Last note」〜特性を持つ者へ〜4
「矢崎さんがキャストから聞いた話なんだけどね、エレナさんはとても凛々しく美しくて、誰よりも素敵な接客をしていたってね。
雅ママに写真を見せてもらったんだ。
そこに写るエレナさんは凄く幸せそうだった。」

「遥斗……?」

「今まで偏見もあったけど、お客さんとは綺麗な付き合いしてたエレナさんを俺は誇りに思う。」

ポロポロ涙を零しながら、レナさんは頷く。

「…ずっと、遥斗に認めてほしかった。
あの日々も大切な思い出だったから…。」

「うん。俺もやっと、過去のレナさんも本当の意味で受け入れられる。今までごめんね。」

俺達はやっと、仲直りのキスをした……。

だが、その時レナさんが突然、
激しく口元を抑えた。
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