僕は君に永遠の夢を見る
「…じゃあ切るね。」ピッ

しばらく母の話に付き合ったあと、私は電話を切った。

「はぁ…。」

一つ、息をつく。

人に嘘をつくのは、苦手だ。

いつかバレそうで怖い。

かと言って、母にいじめを打ち明けるのはもっと、怖い。

いつも電話の最後に「ほんとに大丈夫?」と母は聞いてくる。

それに対して「大丈夫だよ。心配しないで。」といつも返している。

でも、本当のことを言えば全然大丈夫なんかじゃない。

現に昨日、私は死ぬつもりだった。

家族に何も告げずに。

今だって、死にたいという思いは変わらない。

…そう言えば、昨日の琥珀の言葉を詳しく聞いていなかった。

『君の時間を俺にくれない?』
『どうしても君じゃなきゃダメなんだ。』

あの言葉は一体どう言う意味なんだろうか。

今日会ったら、詳しく聞いてみよう。

…そんなことをボーッと考えていたら、

ジリリリリ

携帯のアラームが鳴った。

…学校へ行く準備をしなくちゃ。

まるで、学校へ行くことを拒んでいるかのように重い身体を無理やり起こし、私は家を出る準備を始めたーーーー。



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