僕は君に永遠の夢を見る
美咲姫と出逢ったのは、中学2年の春。

私はこの街に引っ越してきたばかりの転校生だった。

当時は慣れない環境で上手く人とのコミュニケーションも取れなくて、友達もあまり出来なかった。

そんな数少ない友達の中でも、一番仲がよかったのが、美咲姫だった。

明るくて、活発な彼女の周りにはたくさんの人がいた。

そんな彼女が所属していた部活が弓道部だった。

後に、私が熱中することになる部活だ。

入部理由は簡単。

美咲姫がいたから。

それだけ。

初めのうちは出来ないことだらけで、そんなに楽しいわけじゃなかった。

だけど、やっていくうちにどんどん上達していくのが楽しくなって、いつしか大きな夢まで持つようになった。

美咲姫と"全国制覇" それが私の夢だった。

高校に進学してもその夢を失うことは無いと思っていた。

だけど、違った。

夢は夢のままになった。

希望を持っていた分だけ、失った時のショックは大きかった。

思い描いていた未来はまるで泡のように呆気なく消えていった。

あの出来事によって。
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