世継ぎで舞姫の君に恋をする
54-1 狂暴な王子
ユーディアの心が揺れる。
ジプサムは、はじめて会ったときから、気になる男の子だった。
色白の太っちょの男の子。
運動神経は一緒に育った幼馴染たちには到底叶わないのに、食らいついてきた。
彼の戸惑いながらも、何くその精神が、ユーディアには眩しかった。
彼の生まれ育ったところがどんなに快適で安全なところかはわからなかったけれど、退屈なところであることはわかった。
なぜなら、草原で一緒に過ごすうちに、どんどん彼は、表情もいきいきとそして、その体も変わっていったからだ。
ディアという、ユーディア自身の女の子になったはじめての祭りの夜。
ディアはきらきらと輝いた目で自分を見つめるジプサムに気がつく。
彼は、何て言う目で自分をみるのか。
ディアはジプサムに見つめられたかった。だが、彼は帰っていく。
ユーディアの世界でない、ジプサムの世界へ。
常に一緒に過ごしていたブルースは許嫁というよりも、ユーディアにとってはなかば自分自身といっていい存在だった。
捕虜となり、トニー隊長がブルース、ジプサムがユーディアを競り落とした時に、はじめて側で過ごさない日々を過ごした。
ユーディアはそれでもブルースをそばに感じていた。
王宮にトニー隊長に従うブルースから、自分を確認する視線をいつも感じていたからだ。
それは、王宮だけではなく、いつも、いつも。
「ユーディア、何を考えている?」
ユーディアはもくもくと部屋を片付けていた。王妃の部屋だ。
そこは、レグラン王が彼の愛する最初の妻リーンのためにあつらえた部屋で、モルガン風の衣装だけでなく、モルガン族の服も沢山あった。
王が、モルガン族と離れて過ごす妻の心を慰めようと集めたのであろう調度品がいくつもある。
それは返って、この離宮に閉じ込められた鳥のような気持ちにさせたのではないだろうか?
レグランが愛する妻を閉じ込めた安全で快適な、鳥かごのような美しい部屋。
「わたしとのことを後悔しているのか?ユーディア」
ジプサムがいつのまにか、ユーディアの後ろに立っていた。その手はそっとユーディアの肩に置かれる。
「わたしは、自分の半分を失ってしまった、、」
すぐに、ジプサムはユーディアがブルースのことをいっているとわかる。
ジプサムはユーディアを後から抱き締める。
「あなたは、そのかわりわたしを得た。
今あるものを手放さないと得られないものもあるんだ。
わたしのユーディア!
何度でもいう!あなたが好きだ。
あなたが、わたしを置いてあいつのところに戻るというのなら、わたしはモルガンを皆殺しにしても、あなたを奪い返したいと思うぐらいに、愛している!
王位継承権を手放してもわたしはあなたをこの腕に抱く覚悟はある!」
ジプサムは熱い唇をユーディアの首すじに押し付け、強く吸う。
「わかっているか?わたしはあなたのことになると、見境がなくなる!
父と、ブルースと殴り合うぐらいに。どこまでも狂暴になれるんだ。
わたしはあなたを得るためには、王位を奪うことさえするかもしれない」
そうだった。
この、新しい戦争のない世界を作ろうとしているこの王子は、思いがけずも狂暴な一面を持っていた。
ジプサムはユーディアを後ろから抱きかかえた。
そのまま、ベットにドサッと落としこみ、抵抗を体で封じるようにのし掛かる。
ユーディアの何か抗議を言おうとしたその唇を、己の唇で塞ぐ。
こじ開けて、凌辱し、奪う激しいキスだった。
ユーディアはそのジプサムの唇の熱さと、舌と舌の絡まる気持ちよさに、先ほどまでユーディアの心を占めていた寂しさが霧散していく。
その代わり、彼とのキスが与える快楽の兆しを体に感じる。
ジプサムは唇を離した。
つっと糸をひく。
青みがかった黒い瞳が熱く潤みながらも、とがめるようにジプサムを見る。
美しい瞳だった。
舞姫ディアの目であり、側仕えのユーディアの目。
ジプサムはその瞳に永遠に捕らわれたのだ。
「ジプサム、これ以上は、、」
ユーディアはサニジンに伝えられていた、結婚まで褥を共にしてはいけないという決まりを寸でのところで思い出した。
「そんなこと守っていたら、あなたを失いそうだ。
だから、あなたが寂しさを感じる間もないぐらい、あなたを抱く!
真面目で柔のジプサムは、あなたの前では己を押さえられないただの馬鹿な男なんだ」
ユーディアの手を取り己の猛る中心に押しつける。
かあっとユーディアの顔が赤くなった。
「あなた自身が知らない、あなたを引き出したい。
あなたと睦合う快楽に二人で溺れたい。
何度でもいう。わたしの妻になってくれ!永遠にあなたをわたしに縛り付けたいんた!
ベルゼラ国民全員に、そして世界にあなたは、わたしの唯一の妻であると言って回りたい!」
ジプサムはキスをする。
熱い息が混ざりあった。
「返事を聞かせてくれ」
この熱い想いを押し返せる女はいるのだろうか?
「もちろん、イエスよ!
わたしの全てを作り変えるぐらい、愛して」
その言葉にジプサムは愛しい娘の体中にキスを落とし、味わい、何度も何度も激しく抱いた。
ユーディアは全てを忘れ、自分を抱く強くて鍛え上げられた体を受け入れた。
体と心の隅々まで、ジプサムに刻み込まれていく。
太っちょの男の子はどこにもいなかった。
ユーディアを捕らえ、奪い、愛を与える強い男が何度もユーディアを抱き、何度も快楽の波に乗せ、突き上げて落とす。
お互いに思いもしなかったところまで、ジプサムとユーディアは二人でいく。
王妃の間に籠った二人を待つために、出発間近だった王子一行の離宮を立つ日程が、二日ほどずれ込んでしまったのだった。
ジプサムは、はじめて会ったときから、気になる男の子だった。
色白の太っちょの男の子。
運動神経は一緒に育った幼馴染たちには到底叶わないのに、食らいついてきた。
彼の戸惑いながらも、何くその精神が、ユーディアには眩しかった。
彼の生まれ育ったところがどんなに快適で安全なところかはわからなかったけれど、退屈なところであることはわかった。
なぜなら、草原で一緒に過ごすうちに、どんどん彼は、表情もいきいきとそして、その体も変わっていったからだ。
ディアという、ユーディア自身の女の子になったはじめての祭りの夜。
ディアはきらきらと輝いた目で自分を見つめるジプサムに気がつく。
彼は、何て言う目で自分をみるのか。
ディアはジプサムに見つめられたかった。だが、彼は帰っていく。
ユーディアの世界でない、ジプサムの世界へ。
常に一緒に過ごしていたブルースは許嫁というよりも、ユーディアにとってはなかば自分自身といっていい存在だった。
捕虜となり、トニー隊長がブルース、ジプサムがユーディアを競り落とした時に、はじめて側で過ごさない日々を過ごした。
ユーディアはそれでもブルースをそばに感じていた。
王宮にトニー隊長に従うブルースから、自分を確認する視線をいつも感じていたからだ。
それは、王宮だけではなく、いつも、いつも。
「ユーディア、何を考えている?」
ユーディアはもくもくと部屋を片付けていた。王妃の部屋だ。
そこは、レグラン王が彼の愛する最初の妻リーンのためにあつらえた部屋で、モルガン風の衣装だけでなく、モルガン族の服も沢山あった。
王が、モルガン族と離れて過ごす妻の心を慰めようと集めたのであろう調度品がいくつもある。
それは返って、この離宮に閉じ込められた鳥のような気持ちにさせたのではないだろうか?
レグランが愛する妻を閉じ込めた安全で快適な、鳥かごのような美しい部屋。
「わたしとのことを後悔しているのか?ユーディア」
ジプサムがいつのまにか、ユーディアの後ろに立っていた。その手はそっとユーディアの肩に置かれる。
「わたしは、自分の半分を失ってしまった、、」
すぐに、ジプサムはユーディアがブルースのことをいっているとわかる。
ジプサムはユーディアを後から抱き締める。
「あなたは、そのかわりわたしを得た。
今あるものを手放さないと得られないものもあるんだ。
わたしのユーディア!
何度でもいう!あなたが好きだ。
あなたが、わたしを置いてあいつのところに戻るというのなら、わたしはモルガンを皆殺しにしても、あなたを奪い返したいと思うぐらいに、愛している!
王位継承権を手放してもわたしはあなたをこの腕に抱く覚悟はある!」
ジプサムは熱い唇をユーディアの首すじに押し付け、強く吸う。
「わかっているか?わたしはあなたのことになると、見境がなくなる!
父と、ブルースと殴り合うぐらいに。どこまでも狂暴になれるんだ。
わたしはあなたを得るためには、王位を奪うことさえするかもしれない」
そうだった。
この、新しい戦争のない世界を作ろうとしているこの王子は、思いがけずも狂暴な一面を持っていた。
ジプサムはユーディアを後ろから抱きかかえた。
そのまま、ベットにドサッと落としこみ、抵抗を体で封じるようにのし掛かる。
ユーディアの何か抗議を言おうとしたその唇を、己の唇で塞ぐ。
こじ開けて、凌辱し、奪う激しいキスだった。
ユーディアはそのジプサムの唇の熱さと、舌と舌の絡まる気持ちよさに、先ほどまでユーディアの心を占めていた寂しさが霧散していく。
その代わり、彼とのキスが与える快楽の兆しを体に感じる。
ジプサムは唇を離した。
つっと糸をひく。
青みがかった黒い瞳が熱く潤みながらも、とがめるようにジプサムを見る。
美しい瞳だった。
舞姫ディアの目であり、側仕えのユーディアの目。
ジプサムはその瞳に永遠に捕らわれたのだ。
「ジプサム、これ以上は、、」
ユーディアはサニジンに伝えられていた、結婚まで褥を共にしてはいけないという決まりを寸でのところで思い出した。
「そんなこと守っていたら、あなたを失いそうだ。
だから、あなたが寂しさを感じる間もないぐらい、あなたを抱く!
真面目で柔のジプサムは、あなたの前では己を押さえられないただの馬鹿な男なんだ」
ユーディアの手を取り己の猛る中心に押しつける。
かあっとユーディアの顔が赤くなった。
「あなた自身が知らない、あなたを引き出したい。
あなたと睦合う快楽に二人で溺れたい。
何度でもいう。わたしの妻になってくれ!永遠にあなたをわたしに縛り付けたいんた!
ベルゼラ国民全員に、そして世界にあなたは、わたしの唯一の妻であると言って回りたい!」
ジプサムはキスをする。
熱い息が混ざりあった。
「返事を聞かせてくれ」
この熱い想いを押し返せる女はいるのだろうか?
「もちろん、イエスよ!
わたしの全てを作り変えるぐらい、愛して」
その言葉にジプサムは愛しい娘の体中にキスを落とし、味わい、何度も何度も激しく抱いた。
ユーディアは全てを忘れ、自分を抱く強くて鍛え上げられた体を受け入れた。
体と心の隅々まで、ジプサムに刻み込まれていく。
太っちょの男の子はどこにもいなかった。
ユーディアを捕らえ、奪い、愛を与える強い男が何度もユーディアを抱き、何度も快楽の波に乗せ、突き上げて落とす。
お互いに思いもしなかったところまで、ジプサムとユーディアは二人でいく。
王妃の間に籠った二人を待つために、出発間近だった王子一行の離宮を立つ日程が、二日ほどずれ込んでしまったのだった。