オレ様御曹司 と 極上KISS


次の土曜日、翔は早く起きてわたしをアクセサリーショップに連れ出した。

「ほら、どれがいい?」

「え?」

「ペアリング。買うんだよ。」

「翔・・・。でも・・・。」

「会社では付けられないし、チェーン買うから首につけとけ。
俺もそうする。」

店員さんが何種類かのリングをウインドウから出してくれた。

「俺たちは何があっても気持ちはひとつだから。そうだろ?」

「うん。そうだけど・・・。」

わたしたちはシンプルなデザインのものを選び、同じものを左手の薬指にはめてショップを出た。

そしてそのままマンションに戻り指輪をはめたまま愛し合った。

「明日見合いだけど、これ首につけてくから。
絶対俺は爺さんには屈しない。
そこは譲れない。」

「うん。」

わたしは翔の愛を全身で感じようと必死だった。
翔の全てを覚えておきたい。

もしかしたらこれで最後かもしれないから・・・。


< 111 / 171 >

この作品をシェア

pagetop