オレ様御曹司 と 極上KISS
日曜日。

翔は昼前にマンションを出ていった。

最後にわたしをギュッと抱きしめてくれる翔に涙が出そうになった。
けど、泣くわけにはいかない。

なんとか必死で笑って見送った。

見合いに行くカレシを見送る・・・。
そんなバカな話、この世に存在するんだ・・・。

マンションで待ってようか・・・とも思ったけど、ひとりで待ってるのはつらくて家に戻った。

蒼大も同じ頃帰ってきた。
買い物にでも出てたのだろう。

「こんな早い時間にめずらしいじゃん。」

「うん。まぁね。」

蒼大は買い物バッグにでっかいキャベツを抱えていた。

「今日はたこ焼きでもしようか。」

「うん。いいね。俺も食べたいかも。キャベツあるしね。」

蒼大はきっとわかってる。
わたしに何かがあったって。

あえて聞かずにわたしにあわせてくれる蒼大のやさしさにまた甘えてしまうわたし。


その後、わたしたちは食べきれないくらいのたこ焼きを焼いてビールを飲みながら食べた。

「なお、こっちのキムチ食べなよ。うまいよ。」

「ほんと？じゃあ頂戴。」

久しぶりに酔っ払った。

「なお、飲みすぎだよ。」

「そう？らいじょうぶらよ。」

わたしは完全に酔っ払っていた。

そのままコタツで寝てしまったわたしを、蒼大は部屋まで運んでくれたに違いない。
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