オレ様御曹司 と 極上KISS
「マジ?
それじゃぁ・・・久遠家への縁談はその救済のためってこと?」

「かもしれないですね。久遠家の財力が欲しかったのでは?」

ふうん・・・。
まぁ納得いく理由ではあるけど・・・。

「あと・・・こんなこと言うの憚られるんですけど・・・」

茉由さんが眉間にしわを寄せる。

「なに?どんな些細なことでも教えてほしい。」

「百合園のおばあさまと久遠のおじいさまが昔大恋愛の末、別れさせられたと聞いたことがあります。」

え?

「久遠は昔はあんな大きな会社ではなかったそうですから。」

「そ、それは・・・」

「ええ・・・。」

「わかった。ありがとう。茉由ちゃん。恩にきるよ。ほんと嬉しい!」

俺は思わず茉由さんの手を握ってしまった。

「そ、蒼大さん。茉由ちゃんっていいました?」

赤くなってうつむく茉由さんはやっぱりかわいく思えて、思わず、抱きしめたくなった。

「あ、ゴメン。じゃあこれから茉由ちゃんって呼んでもいい?」

「は・・・い。それは全然。」

かわいい。照れてる・・・。

俺はそこで初めて茉由さんの手を握っていたことに気づいた。

「あ、ゴメン。思わず手を・・・。」

「いえ・・・。」

「俺のことも蒼大でいいよ。」

そう言いながら照れて手を離し、手の持って行き場がなくて思わず頭をポリポリかいた。


ヤベェ・・・

こういうふつうの恋愛・・・慣れてねぇ~。

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