オレ様御曹司 と 極上KISS
今日あたりにプロポーズされるかもなんて期待していたわたしの期待心がガラガラと音をたてて崩れていった。

「え?」

「わかってると思うけど・・・俺たちもう修復不可能だろ?」

修復不可能ってどういうこと?
わたしはなにも修復するところがあるとか思ってないけど・・・?
なにかおかしいとこあった?

「ほんとのこという。
俺ほかに好きな子ができたんだ。」

は?

「・・・。」

「気づいてなかった?」

わたしの真っ青な顔を見て恭介が言った。
かなり蒼白な顔をしていたと思う。

「・・・。」

「俺はてっきりもう気づいてるもんだと思ってた。
だって、俺たちもう1年ほどやってないだろ?」

た、確かにやってないけど・・・それってそんなに重要なこと?

わたしがさらに何も言えずに座っていると、恭介がわたしの背後を見た。

「よう!座れよ。こっち。」

わたしの前に進み出たその背後の人物が恭介のとなりに座った。

「ごめん。なお。
俺が好きなのはこの人なんだ。」

「・・・・・。」

わたしの中の何かが崩れ去る音が、もしかしたらこのお店全体に響き渡ってるんじゃないかと思うほどの勢いでガラガラと崩れ去っていった。
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