オレ様御曹司 と 極上KISS


「なお?どうしたの?」

家に帰ると、弟の蒼大《そうた》が晩御飯を作っていた。

わたしの顔面蒼白の顔を見て何かあったと気付いたらしい。

「蒼大。あ、わたしも晩御飯食べたい。
わたしの分もある?」

「あ、ああ。あるけど。」

「なら、ちょうだい。」

しばらく放心状態でダイニングテーブルに座っていたら、アラビアータのパスタとサラダが出てきた。

テーブルの前に蒼大が座り手を合わせた。
わたしも手を合わせる。

「いただきます。」

ツルッとすくうパスタ。おいしい・・・。

荒みそうになってた心も蒼大のパスタで救われた気がした。

やっぱり蒼大は料理が上手い。

「おいしい~。やっぱあんたうまいよね。」

両親が高校1年のときにバスの事故で死んでから、がんばって2人でやってきたけど、必然的に蒼大が料理担当。
わたしが掃除担当になっている。

わたしも料理しないわけじゃないけど蒼大が作った方がおいしいからそうなってしまう。

「で?何があったのさ。」

蒼大にウソはつけない。
全部わかられてしまう。

「そういうあんたも金曜日のこんな時間におウチごはんなんてめずらしいじゃん?
もしかしてまた別れたの?」

「バレた?」

蒼大がペロッと舌を出した。

まぁそんなおどけた顔してても男前なんだなぁ。蒼大って・・・。

1つ下のわたしの弟とは思えないほどのイケメンの蒼大は小さい頃からモテモテで、中学くらいからカノジョを切らしたことはない。

けど常にカノジョから大事にされないからとかわたしより仕事が大事なのかとか言われてすぐに別れるし長く続いたためしはない。
< 9 / 171 >

この作品をシェア

pagetop