音楽と私
響、君の友達に会うよ。
早く、真実を思い出して。
その演奏が終わるまでに

「お待たせしました。」

「ひ、響……ご、ごめんなさい。友達じゃないって言って。あの時、ああするしかなかったの。」

オレに言われても困るんだけどなぁ。
オレにとってはどうでもいいし。………って良くはないか。

「僕もすみませんでした。」

隼人、お前もかぁ。ハァ……
ため息は幸せを逃げるって言われているけど、これはため息がいるわ。呆れた………ハァ………

「……それは、本当に……私に言うべきの言葉なんですか?」

少し、ヒントを……

「ん!?」

どういう事って顔してるな心愛。

「どういう事?響」

ビンゴ!!オレ!!

「………本当に分からない?」

隼人「…………………ハッ!そう言うことですか。」

おっ!やっと気づいたか。流石は隼人だ。

「貴方は、響ちゃんではありませんね。」

「えっ!?どういう事なの?」

心愛はアホなのか?

「姿かたちは響ちゃんそのものですが、響ちゃんが僕達を呼ぶ呼び方がちがいます。」

「呼び方?」

「はい。呼び方です。響ちゃんは僕の事を”隼人”と呼び捨てに呼びます。ですが、今の響ちゃんは僕の事を”隼人くん”って呼んでいるんです。心愛もそうでしょう?」

その通りだ隼人。お前は何気に頭いいんだな。

「そう言えば………本当は”心愛”なのに今日は”心愛ちゃん”だ……………って事は貴方は誰なの?」

やっと気づいたか。隼人、心愛。
2人も覚えてないのか。まぁ、10年も前のことだからな。

「……私は………」
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