大嫌いなクール王子になぜか溺愛されてます。


うちの高校は一から八クラスまであり、一~五が文系、六~八が理系だ。

そのなかでも一と六は選抜クラスで、それは一年のときの成績で決められる。

わたしと結子は定期テストでいつも二十位以内だったから、一組であると考えたのだ。


結子と仲良くなったきっかけは、出席番号が前後のため入学当初隣の席であったこと。


今この瞬間にも思うけど、わたしはほんとうに運がいい。

結子こそわたしが高校で求めていた友達だからだ。


目立つことはあまり好きではなく、かといって暗い性格ではない、たれ目がチャームポイントの素朴で可愛い心優しい女の子。


髪色はわたしと同じ黒で、ボブヘアをしている。

真面目で、メイクはすごくナチュラルだし、制服も着崩していない。


そんな結子とわたしはふたりでひっそりと高校生活を送っている。

きっと来年も同じクラスだから、結子とは一生の友達になれそうだ。


はじめ結子に声をかけたのはわたしが求めていた友達像に近いと思ったからだけど……今は癒しの結子と友達になれてほんとうによかったと心から思っている。

この一年間も、結子とたくさんの思い出を作りたいな。

校長先生の長い話を聞きながら、そう心のなかでつぶやいた。

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