【完】さつきあめ〜2nd〜
寂しくないわけがなかった。
それでも寂しんでいたり、悲しがったりしたら、それは美優の夢の妨げになる。だから今日は美優のためにずっと笑っていようと決めていた。
居酒屋で早めにご飯を食べてから、THREEに行く前に、シーズンズに寄ることに決まっていた。
「美優ちゃん、綾乃ちゃんたちに言ってないよね?!」
「勿論~!この間会った時綾乃とはるながラストに行くよって言ってたんだけど、そこはもうお店終わった後に集まろうって話にして何とか誤魔化しておいたよ~?」
「ふたりともびっくりするだろうね!」
「深海さんもきっとびっくりしちゃうよ!さくらに会いたがってたし~!」
「何か気まずいけど、深海さんにもちゃんと謝らなくちゃね…」
「あーんまり気にするなって~!だいじょうぶ、だいじょうぶ、誰も怒っちゃいないよ!」
美優とふたりで話していると、涼が足を止めた。
「あのさ…」
「ん?」
振り向くと、しまったと言う気まずい顔をして頭をかいている涼。
「何?」
「なんかごめんな?」
「はぁ?何が?」
「嫌、まぁいいよ、とりあえずシーズンズ行こうか」
「なんなのよぉ!!」
涼のばつの悪そうな顔。
それはシーズンズに着いてすぐに判明した。