【完】さつきあめ〜2nd〜
「はぁ、何か…あたしもさっきエントランスの姿見で自分の姿見て気持ち悪って思ったところです」
思わず苦笑すると、「笑うところじゃないから」と突っ込まれた。
「聞きたい事は沢山あるけど…
もう一度聞くけど、宮沢さんと住んでるのよね?」
「はい…」
「何でそんな事になってるのか全然わかんないし、頭痛いんだけど…。
さっき付き合ってるわけじゃないって言ってたわよね?
それって宮沢さんに脅されて一緒にいるとか、弱みを握られて監禁されてるとかそういうわけではないのよね?
何度も聞くのは嫌なんだけど…」
「いや…実際そうだったらすでに逃げてますよね…」
「だからこそ頭痛いし、意味わかんないんだけど!」
「あたしも全然自分で訳わかってないです…」
はぁーっと大きなため息を吐いて、少し苛立ちを見せる由真は煙草に火をつけて、それを咥えながら、ソファーに寄りかかり天井に向かって煙を吐き出す。
「面倒くさいの嫌いだから、単刀直入に聞いていい?」
「はい…」
眉毛を下げて、困ったような表情を見せる由真は少しだけ切なく映った。
誰にも言えなくて、本人にも言えなくて、けれど誰かに聞いて欲しかった事。
根本的な事。