【完】さつきあめ〜2nd〜

「でもさっきの子すっごい営業がんがんかけてきたよ~!
可愛かったけど、強引な女の子はあんまり得意じゃないから、今度来た時はさくらちゃんを指名するね」

「ありがとうございます~!」

営業をしていても、お客さんと話をしていても、いつだって美月の視線が気になっていた。
お店の女の子の大半に良くは思われていなかった美月だけれど、何故か美月は他の女の子というよりかはわたしを酷く嫌っていたかのように思える。
もちろんナンバーを争うならば、ごく自然な事だったのかもしれないけれど、同じく双葉では1、2を争っていたレイに対してはわたしほど酷い態度をしていなかったし、毛嫌いをしているようでもなかった。

何となく、朝日絡みなのではないかと思う。
けれど入って間もない美月が、わたしと朝日に何があったかなんて知りはしないのだと思うけれど。
わたしも美月がいつだって気になっていた。それは自分を脅かす存在という事だけではなく、彼女が朝日に好意を向けているのは一目瞭然だったし、彼女自身の容姿や持っている雰囲気が朝日のタイプであるとわかっていたから。
怖かった。それだけがただただ怖かった。

「最近暗いよ~!さくらちゃ~ん!」

「ん~…んな事ないっすけどぉ…」

「暗暗暗っ!
もぉ~!サイトとか見るなって言ってんのに!あそこにはいい事なんてめったに書かれちゃいないんだから!
僻みや妬みの巣窟なの!見るだけでネガティブになっちゃうよぉ?
レイだって色々書かれちゃうけどさ~…まぁレイの場合昔酷かったから弁解の余地もないんだけどね~!
でもさくらちゃんの場合嘘ばっかりじゃん!気にすることないって~!
今日飲みに行っちゃう?!ホスト行く~?それとも涼ちんところ行く~?」

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