【完】さつきあめ〜2nd〜
不本意だったTHREEへの移動。
大好きだったシーズンズへいれなくなって、たどり着いた先に、わたしを成長させる沢山の出会いがあった。
ゆいは何をしているのだろうか。凛は違うお店できっと頑張ってる…。けれどわたしは…。
「菫さんって女の子が頑張ってるみたい…」
「菫さん…」
菫は、朝日の元カノ。
朝日と別れて、水商売を上がって結婚をしても、朝日の為に戻ってきて、頑張っている。
それに引き換え、わたしはどうだろう。
わたしは光にも朝日にも何もしてあげられなかった。
誰かの為に、と言っていたってわたしの愛はいつだって自分本位で、いつだって誰かに背中を押されなくては身動きさえ出来なかった。
「宮沢さんは、きっとあなたを無理やり働かせたりしない」
そうだ。朝日はわたしに自由に生きろと言ってくれた。
そして、わたしが朝日の側にいる事を、朝日は重荷に思っているだろう。
何も言わずにわたしが朝日の側に居続ける理由は、単純に朝日の側にいたかったのと、わたしの想いも知らずに、わたし自身を無理やり奪った朝日への復讐だったのかもしれない。
けれど、この時のわたしは好きな物を素直に好きだと言えなくなっていた。