【完】さつきあめ〜2nd〜
「ふぅ……」
愛が居なくなってひとり取り残された更衣室。
ため息と同時にどっと疲れが出た。
レイからは「トリガーにいるよ!」とメッセージが携帯に入っていたけれど、何となくやっぱりトリガーに向かう気はしなかった。
…なんだかなぁ。
「あ!」
ひとりで飲みたい気分になったわたしは、先日沢村と言ったバーを思い出した。
中年の男性がひとりでやっている静かなショットバー。あそこなら人もあまりいないだろうし、落ち着いて飲めるだろう。
連れてこられた道は覚えている。
でもあの日はお酒も入っていて、記憶も定かではなかった。
お店の前に来て、初めて「ZERO」というお店だと言う事を知った。
重い扉を開けると、お客さんは誰もいなくて、マスターがグラスを拭いていた。
わたしと目が合うとにこりと笑った。
「いらっしゃいませ」
中年のマスターは柔らかい声で、言う。
この間沢村と来た時は、いっぱいいっぱいで、お店をゆっくりと見ている暇なんてなかったけれど
薄暗いオレンジ色の店内と、優し気なマスターの笑顔がよくマッチしているお店だった。
「今日はおひとりですか?」
「はい…ひとりで、ちょっと飲みたいなぁ~って」
彼はわたしの事を覚えてくれていたようで、カウンター席に案内された。
挨拶程度しか話してないのに、覚えているものなんだな、と感心しながらカウンター席に座る。
愛が居なくなってひとり取り残された更衣室。
ため息と同時にどっと疲れが出た。
レイからは「トリガーにいるよ!」とメッセージが携帯に入っていたけれど、何となくやっぱりトリガーに向かう気はしなかった。
…なんだかなぁ。
「あ!」
ひとりで飲みたい気分になったわたしは、先日沢村と言ったバーを思い出した。
中年の男性がひとりでやっている静かなショットバー。あそこなら人もあまりいないだろうし、落ち着いて飲めるだろう。
連れてこられた道は覚えている。
でもあの日はお酒も入っていて、記憶も定かではなかった。
お店の前に来て、初めて「ZERO」というお店だと言う事を知った。
重い扉を開けると、お客さんは誰もいなくて、マスターがグラスを拭いていた。
わたしと目が合うとにこりと笑った。
「いらっしゃいませ」
中年のマスターは柔らかい声で、言う。
この間沢村と来た時は、いっぱいいっぱいで、お店をゆっくりと見ている暇なんてなかったけれど
薄暗いオレンジ色の店内と、優し気なマスターの笑顔がよくマッチしているお店だった。
「今日はおひとりですか?」
「はい…ひとりで、ちょっと飲みたいなぁ~って」
彼はわたしの事を覚えてくれていたようで、カウンター席に案内された。
挨拶程度しか話してないのに、覚えているものなんだな、と感心しながらカウンター席に座る。