【完】さつきあめ〜2nd〜
「うん!約束!
…でも僕、やっぱり綾も守りたいけど、朝日くんも守りたいんだ」
「え?」
「だって朝日くんと僕は男同士だけど
朝日くんは僕の大切な家族だから!」
眩いほどの光りの中で
とびっきりの笑顔を見せて笑う光の澄んだ声。
たとえ俺が光の背丈を飛び越えても、自分の力で会社を立ち上げても、俺の下で光が働くようになっても
俺たちの関係性は全く変わらないのではないのだろうか。
光りの中で、俺は幼い子供のまま。
ずっとずっと憧れていた宝物のような存在を目の前に、息を止める。
踏み込んではいけなかった、尊い存在。
あの姿に目を奪われたまま、忘れられずに、時を止めて
それでも手を差し出して、俺はあの光りを求めてしまった。