【完】さつきあめ〜2nd〜
「沢村さんおはようございます」
「あぁ、おはようございます。美月さん。今日も同伴おつかれさまでした」
「美月ちゃん、おはよう」
おはよう、とわたしが挨拶しても、華麗にスルーされた。
「沢村さん、佐竹さんのヘルプ、さくらさんについてもらって下さい」
「え?!」
美月は、自分のヘルプにわたしを指名してきた。
真意は掴めないけれど、場内指名といったわけでもない話で、付け回しをキャストがするなんて話聞いた事ない。
「けれど…これから来るフリーのお客さんにさくらさんはつけせようと思っていて」
「あの~…前から思ってたんですけど
沢村さん、さくらさんを贔屓しすぎじゃありませんかぁ??
何か良いフリーのお客さんをさくらさんばっかりつけようとしてるし、全然ヘルプについてくれないじゃないですか。
あたし、この店のナンバー1ですよ?」
確かに、沢村はわたしにフリーをつけてくれた。
けれど、それはわたしにだけじゃなくて
ナンバーに入っている女の子は指名が入っていても、僅かな時間フリーにつけるチャンスを与えられる。