【完】さつきあめ〜2nd〜

「沢村さんおはようございます」

「あぁ、おはようございます。美月さん。今日も同伴おつかれさまでした」

「美月ちゃん、おはよう」

おはよう、とわたしが挨拶しても、華麗にスルーされた。

「沢村さん、佐竹さんのヘルプ、さくらさんについてもらって下さい」

「え?!」

美月は、自分のヘルプにわたしを指名してきた。
真意は掴めないけれど、場内指名といったわけでもない話で、付け回しをキャストがするなんて話聞いた事ない。

「けれど…これから来るフリーのお客さんにさくらさんはつけせようと思っていて」

「あの~…前から思ってたんですけど
沢村さん、さくらさんを贔屓しすぎじゃありませんかぁ??
何か良いフリーのお客さんをさくらさんばっかりつけようとしてるし、全然ヘルプについてくれないじゃないですか。
あたし、この店のナンバー1ですよ?」

確かに、沢村はわたしにフリーをつけてくれた。
けれど、それはわたしにだけじゃなくて
ナンバーに入っている女の子は指名が入っていても、僅かな時間フリーにつけるチャンスを与えられる。

< 192 / 826 >

この作品をシェア

pagetop