【完】さつきあめ〜2nd〜
「それにさくらさん、指名入ってないんでしょ?ヘルプ、ついてください」
有無を言わせないような態度。
ヘルプにつくのが嫌なわけじゃない。わたしはヘルプの仕事なんかしない。そんなつもりも全然なかった。
困り果ててる沢村と、一歩も引かない美月。その間に由真が入ってきた。
「美月~…あのね~…佐竹さんのところにはわたしが着くから」
「ママ~…そういう問題じゃないです~…
あたし、さくらさんがいいんです!
ママも沢村さんもさくらさんを特別扱いするのはやめてください!」
「美月、あんたね……」
由真が言いかけた時、わたしはそれを制止した。
「いいです。あたし、美月ちゃんのヘルプにつきます。
ヘルプだって大事な仕事ですから」
その言葉に、美月は勝ち誇った顔をして、鼻でふふんと笑った。
自分のライバルとなりえる人間ならヘルプなんて絶対に着いて欲しくない。けれど、自分のお客さんにヘルプに着いてほしいというのは、絶対に取られる事がないと確信しているからだ。
「すいませーん、さくらさんをヘルプなんてさせちゃって~!」
「ヘルプだって仕事だから…」
「そうですよね、指名ないんだから」