【完】さつきあめ〜2nd〜
そして、愛とるなを睨みつけて、勢いよく更衣室の扉を開けた。
「美月ちゃん…!!」
「いいって、さくらちゃん、放っておきなよ。
るな、だいじょうぶ?」
「だ、だいじょうぶです…」
ずっと泣きだしそうだったるなの瞳に、いっぱいたまった涙が頬に零れ落ちた。
レイがるなの頭を撫でると、大きな声を出して泣きだしてしまった。
「さくらちゃんってば!!」
レイの言葉を無視して、わたしは美月を追いかけていた。
レイの言うことは最もだ。
指名は自由だし、結果がすべて。
この世界で生きていくのなら、したたかでないといけなかった。
けれどそれと同じくらい、義理や人情も大切で、わたしたちはひとりで仕事なんか出来やしない。
助けたり、助けられたり、お客さんを大切に出来ないのなら、その指名はいつまでも続きはしない。
わたしには分からない事だらけだ。
美月がどうして自分を大切にしてくれる人まで傷つけずにいられないのか。その愛を素直に受け取れないのか。
はたから見れば酷い事ばかりしているのかもしれないけれど、そうしなければ生きていけないほどの傷が、彼女にはもしかしたらあったのかもしれない、と。
「美月ちゃん…!!」
「いいって、さくらちゃん、放っておきなよ。
るな、だいじょうぶ?」
「だ、だいじょうぶです…」
ずっと泣きだしそうだったるなの瞳に、いっぱいたまった涙が頬に零れ落ちた。
レイがるなの頭を撫でると、大きな声を出して泣きだしてしまった。
「さくらちゃんってば!!」
レイの言葉を無視して、わたしは美月を追いかけていた。
レイの言うことは最もだ。
指名は自由だし、結果がすべて。
この世界で生きていくのなら、したたかでないといけなかった。
けれどそれと同じくらい、義理や人情も大切で、わたしたちはひとりで仕事なんか出来やしない。
助けたり、助けられたり、お客さんを大切に出来ないのなら、その指名はいつまでも続きはしない。
わたしには分からない事だらけだ。
美月がどうして自分を大切にしてくれる人まで傷つけずにいられないのか。その愛を素直に受け取れないのか。
はたから見れば酷い事ばかりしているのかもしれないけれど、そうしなければ生きていけないほどの傷が、彼女にはもしかしたらあったのかもしれない、と。