【完】さつきあめ〜2nd〜
⑨
「無断欠勤??」
あれから3日後、美月は双葉に出勤してこなかった。
担当の黒服も連絡が取れなくなって、困り果てていた。
連絡なく欠勤しても、指名のお客さんは何も聞いていないらしく、お店にやってきた。
「はい、さくらさんは…勿論美月さんと連絡なんて取ってないですよね?」
沢村も困ってるようで、わたしに美月の事を尋ねてきた。
「あたしは美月ちゃんの連絡先も知らないですし…」
「ですよね…。僕の連絡ももちろん、由真ママの連絡も出ないみたいですし
仲の良かった愛さんやるなさんの連絡も出ないみたいで…」
あの子は自滅するタイプだと思うけど。奇しくも、ゆりの言うとおりになっていた。
無断欠勤。良くないけれど、わたしに美月を咎める資格もないんだ。
ヘアセットを終えて更衣室に着替えに行くと、そこにはレイと、るなと愛がいた。
「あーー!!さくらちゃんおはよぉ!!」
「レイさん、おはようございます。
愛ちゃんとるなちゃんもおはよう」
「おはようございます」
2人は声を合わせて挨拶をしてきた。けれどその表情は心なしか元気がなく見えた。