【完】さつきあめ〜2nd〜
「人の気持ちを考えてってか…
悪かったな、俺は光みたいに相手の気持ちを考えてやれねぇ男で…」
「そんな事……言ってない…」
どうしようもない気持ちでいっぱいで、涙がこみあげてくる。
わたしはいつだって朝日を傷つける言葉しか言えなくて、そんな自分が情けなくて…。
光と色々あった頃、自分の気持ちをもう少しコントロール出来ていた。でも朝日を前にすると、自分の感情が止められなくなる。
こんなの悲しいだけなのに…。
「だって…ゆりさんとだって会ってたでしょ?」
「ゆりだぁ?」
ゆり、と名前を出したら、朝日の顔は更に険しくなっていった。
「愛ちゃんたちから聞いたもん…。
ゆりさんと一緒に飲んでたって…
ゆりさん宮沢さんの為に頑張ってるもんね…」
「だから、俺がゆりと寄りを戻したってか?
くそ下らねぇな。
俺は自分が捨てた女と寄りを戻すことなんて絶対しねぇ。それはゆりに対しても失礼だし
ゆりだってそんな女じゃねぇ。ゆりがもしも俺の為に頑張ってたとしても、俺と寄りを戻すためだとか、そんなプライドのねぇ女じゃない」