【完】さつきあめ〜2nd〜
「あなたは…ゆりさんの事を認めてるのね…」
「さっきからお前一体なんなんだよ、俺とそんなに喧嘩してぇのか?
何がそんなに気にくわねぇんだよ!!」
「全部気にくわないよ!
ゆりさんと別れたって七色グループは彼女に結局支えられてて、あなたはゆりさんの事だけは認めてる!
それに美月ちゃんだって…ゆりさんに似てるじゃない!宮沢さんの好きなタイプの女じゃん!
いくらあたしの事が好きだったって言ってもそれは過去の話だし、あなたなんてどうせちょっとでも自分のタイプの女だったらすぐに手を出すような男じゃない!!」
言いすぎだ。
泣きながら朝日を見上げると、朝日の目にはもう怒りの表情はなかった。
それどころか、こんなにも醜い、醜態を晒すわたしを呆れてみているような気がする。それは哀れみに近かった。
どうしてこんなにも、朝日の前でだと自分の感情をコントロール出来なくなってしまうのだろう。
「帰れ」
無機質で、感情のない言葉だと思った。
「や…だ…」
「帰れよ。これ以上お前を軽蔑したくない」
「やだ、帰らない…」
「帰れって…。
俺はお前の思ってる通り最低の男だって自分でよく知ってるよ。
俺は…光のように人の事を考えてやれるような人間じゃねぇ…お前の思ってる通りの奴だ」