【完】さつきあめ〜2nd〜
「え?!!」
美月の名が出て、あたしは思わずソファーから立ち上がった。
仲良く話していたレイと雅も一瞬止まって、こちらを向いて、拓也はまた声を立てて大げさに笑った。
「やっぱり、分かりやすいかも」
「そ、そんな事はどうでもいいんですよ!
それで美月ちゃんは?!」
「詳しくは分かってないんだけど、美月って俺らのお店にもよく来る女の子で、昔からホストも結構行ってて、ほらあの容姿でしょ?美月の元カレも何人かホストにいてさ
つい数日までとあるホストんちに居たみたいなんだけど」
「美月ちゃんとその人は付き合ってるんですか?!」
驚いたように聞き返す。
わたしから見れば、美月は朝日を一途に好きなように見えたから。他の男と関係を持っている事が信じられなかった。
「あはは、さくらちゃんって本当におもしれーなー!
今は別にどこのホストとも付き合っちゃいねぇと思うよ?
でも言っちゃ悪いけど、美月って尻軽いじゃん。だからセフレみたいな男って何人もいると思うよ。
お店に来なくてもあれだけのいい女だから、やれりゃラッキーとか思うやつもいんじゃね?」
「…全然理解出来ない…」
「思ったけど…さくらちゃんって真面目なキャバ嬢だよね…」
「やめてくださいよ、気にしてるんだから…」