【完】さつきあめ〜2nd〜
「人気なんだ…。まぁ分かる気がする…」
「ほんと?!じゃあ今日SKY飲みに行く?!」
「絶対行かない!!」
「え~…行こうよぉ~…今日超楽しかったじゃん~…」
レイはまんまと営業されて、SKYに通いそうな勢いだ。
とはいえ、ホスト遊びはホスト遊びと割り切ってるタイプなので、あまり心配はしない。
しかし今日もホストに行く気まんまんみたいで、元気な人だなぁと思う。
その日の営業終了後は、久しぶりにトリガーに行こうと決めていた。最近ごたごたがあって、涼にもろくに会えていない。それに一応綾乃に気をつかったりもしていた。
わたしは綾乃と涼が付き合う前からの友達だけど、やっぱり友達と彼女は違うわけで
綾乃の知らないところで涼に会いに行くのは少しだけ気がひけたし、昔みたいに気軽に相談が出来る感じではなかった。きっと綾乃は笑って、そんな事全然気にしなくていいのに、と言うのだろうけど、自分の立場だったら嫌だから、遠慮していた。
一応仕事が終わる前に綾乃に連絡を入れておいた。トリガーに一緒に行かない?と。ちょうど綾乃にも会いたかったところだ。
「うわぁ~…落ち着くぅ~…」
トリガーに着いてすぐ
カウンター席にほっぺたをつけて、静かな店内を見回す。
週の始まりの月曜日は全く混んでいなく、まばらに人がいるだけだった。
トリガーはメンズバーというくくりに一応入るのだが、ホストやクラブのように騒がしくもなく、比較的落ち着いていた。