【完】さつきあめ〜2nd〜

「じゃあ、涼は綾乃ちゃんと早く仲直りしないとね」

「お前もな………」

仲直り…出来るのだろうか?
もしも仲直り出来る日が来るのなら、それはわたしが朝日に恋愛感情を抱かなくなったら、だと思う。
朝日を好きでいる限り、朝日が誰かと笑っているのを側で見るのはきついよ。
誰かを愛することを笑って許してあげたいのに、それが全然出来そうにないんだ。わたしは心がとても狭いから。

「そーいやーさ、最近南がトリガーに来る理由って俺以外にもう1個あってさ」

「そうなの?」

涼は大袈裟に深いため息をついたかと思えば、人差し指で真っ直ぐにわたしを指さす。

「はぁ?!」

「さくらに会いたいみたいだよ。つぅか話あるらしい。
勿論俺と交流があるのは知ってるけど、連絡先は教えてねーけどさ」

「何でだよ!!あたしは嫌だよ!!会いたくない!!」

南にいい思い出はない。
勝ち誇ったかのように、あの日光の家に行った時に元カノさんって言い放った。
話というのもどうせ光についてだろう。今更光の事で、南と話す事もないんだ。

「お前ってさー…女に絡まれるよな…」

「確かに…。なんでだろう…」

「愛されてるからだろ」

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