【完】さつきあめ〜2nd〜
初めて会った時はちゃらちゃらしたナンパ男に過ぎなかった雅や拓也も、お店で見ると何となくオーラがあるように感じる。

「今日は来てくれてありがとう~!レイちゃん、さくらちゃん!!」

人懐っこい笑顔を見せた雅が、レイの隣でもたれかかるように座る。
それとは対照的に拓也はにこりと微笑んで座って「わざわざありがとうね」とわたしの耳元で囁いた。

「まさかさくらちゃんが来てくれるとは思わなかったけど」

「一応…美月ちゃんも出勤してきたし、色々と教えてくれたし、お礼みたいな」

「はは、俺別になんも役に立ってねぇけど!さくらちゃんって案外義理がたい人なんだね。
別にお店になんか来てくれなくても、プライベートで遊んでくれても良かったのになぁ~!あ~さくらちゃんと遊びたかった」

「誰にでも言ってるんでしょ?」

「さぁね」

表のパネルで、拓也はナンバー2になっていた。
どこからか視線が感じるような気がした。きっと拓也を指名している女の子が何人もいるのだと思う。

「あの~…別にここに着いてくれなくてもいいよ?他にも指名かぶってると思うし…
心配しなくてもお金にならないお客なので……」

「え~、俺さくらちゃんの隣にいたいからいさせてよー」

「はぁ……」

レイは雅とすっかり仲良しといった感じで
拓也は拓也で、自分の事、そしてわたしの話を聞いてくれた。少し話して、初めて拓也の接客を受けて、こりゃ人気が出るのもわかるなと感心してしまうほど、盛り上げるのが上手い人だった。

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