【完】さつきあめ〜2nd〜
そしてこちらを振り返り、人懐っこい顔をして、笑った。
「ね、さっきの人、光の元カノさんでしょ?」
相当お酒も飲んでいたし、雅の隣で笑っていた。
だからてっきり気づかれていないと思っていたけれど、全然そんな事はなかったようだ。
「………はい」
「ふっふ~!これでも人気キャバ嬢だから~
誰かと話していても、違う人の話聞くの得意なんだよ~!!
それにあの人雑誌で見た事あるし~光のお店の人だ~って思ったんだ。
さくらちゃんと深刻に光の話してるから思わず笑っちゃった~!!」
「あたしは、あの人の事が憎かったんです。
光はあたしの事を好きだって言ってたのに、突然あの人に取られちゃって…
あの時は仕事に行く気にもなれないくらい落ち込んで、光もあの人も大嫌いだった…
でも、話してみたら…ちゃんと向き合って話してみたら、あの人あたしなんかよりずっと光の事好きだったんじゃないかなって」
「それでも光は、やっぱりさくらちゃんが好きなんでしょ?」