【完】さつきあめ〜2nd〜
わたしたちを家に入れて、着替えを済ませた後、朝日は綾乃に向かって言う。
…着替えは済ませてきたものの、部屋はぐちゃぐちゃだ。
わたしは朝日と住んでいる時、この家が汚れているのを見た事がなかった。ハウスキーパーさんが来た気配もなかったし、朝日は几帳面な人なんだと思っていた。
でも現在この家のリビングはぐちゃぐちゃだ。
涼は朝日の言葉を無視して、いそいそとリビングの片づけを始める。
「おい、てめぇ、人んちで勝手に何をやっている」
「いやーこう見えて俺結構綺麗好きなんで。
つぅかおっさん…独身の一人暮らしとはいえこんな汚いの引くわー…。金あるんだから業者雇えばいいのに…」
「うるせぇ!クソガキ!
俺はいま忙しくてそんな暇もねぇんだよ!!
つぅかてめぇ!さくらだけじゃなく綾にまで手を出すとはな!!!
場末のホスト被れのくせに!!」
「は…?さくらにまで手を出した?」
その言葉に、綾乃が朝日と同じ目で涼を睨んだ。
「ちょとちょと!!!待って!誤解だし!!
あたしは涼に手を出されてないし、宮沢さん!誤解を生むような発言は控えてください!」