【完】さつきあめ〜2nd〜
家の掃除もひと段落して
涼が買ってきたピザやらチキン、そしてシャンパンを取り出した。
さっきまで不機嫌絶好調だった朝日だけど、それを見て一瞬嬉しそうな顔をしたのをわたしは見逃さなかった。
そして涼は、スーパーの袋をわたしへ差し出した。

「何?」

「さくらの料理、おっさん好きだったじゃねぇか」

「…だって…涼が用意したご馳走沢山あるし」

ちらりとソファーに座る朝日を見つめると、顔だけこちらを向けた。

「こーんな油もんばっかり食ったら体に悪ぃ。さくら何か作ってくれ」

こちらを向いた顔が、すぐに前を向く。
照れ屋なこの人らしい。

「まぁおっさん歳だしなー」

「お前は黙れ」

「じゃあ宮沢さんの好きなオムライスとハンバーグ作るね!健康に悪いからサラダも!!」

「ふっ、年齢だけはいっちょまえにおっさんのくせに、好きな食べ物は相変わらずおこちゃまだな」

「何か言ったか?」

「いえいえ、主役さま~座っててくださーい!!」

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