【完】さつきあめ〜2nd〜
涼と朝日はソファーに座ってお酒なんか飲んでいる。
綾乃の事が和解したようには見えないけど、こうやってふたりでお酒を飲んでいる後ろ姿を見たら、まるで昔に戻ったようだ。料理を、綾乃は手伝ってくれた。
「朝日が嬉しそうで良かったわ」
「そうだね!!」
「やっぱりさくらが来ると、あの人嬉しいのね」
「いやいやあたしじゃないでしょ。綾乃ちゃんに会えて嬉しいんじゃん、あの人」
「ううん。なんだかんだ言ったって、朝日はさくらの事が物凄く好きなの、顔を見てすぐに分かったわ」
「そんな事ないよ……」
朝日の大好きなハンバーグとオムライス。それにサラダを作ったら、予想以上に朝日はそれを喜んでくれて
涼の買ってきたピザやチキンには手をつけずに、わたしの作った料理ばかり食べてくれた。
それが単純に嬉しかった。
「宮沢さん、野菜も食べなきゃだめですよ!」
「分かってるつーの。俺はあんまり野菜は好きじゃねぇんだ」
「もう年なんだから…お肉ばかり食べてたらだめですよ」
「お前まで…俺のかーちゃんかっての!」