【完】さつきあめ〜2nd〜

涼と朝日はソファーに座ってお酒なんか飲んでいる。
綾乃の事が和解したようには見えないけど、こうやってふたりでお酒を飲んでいる後ろ姿を見たら、まるで昔に戻ったようだ。料理を、綾乃は手伝ってくれた。

「朝日が嬉しそうで良かったわ」

「そうだね!!」

「やっぱりさくらが来ると、あの人嬉しいのね」

「いやいやあたしじゃないでしょ。綾乃ちゃんに会えて嬉しいんじゃん、あの人」

「ううん。なんだかんだ言ったって、朝日はさくらの事が物凄く好きなの、顔を見てすぐに分かったわ」

「そんな事ないよ……」

朝日の大好きなハンバーグとオムライス。それにサラダを作ったら、予想以上に朝日はそれを喜んでくれて
涼の買ってきたピザやチキンには手をつけずに、わたしの作った料理ばかり食べてくれた。
それが単純に嬉しかった。

「宮沢さん、野菜も食べなきゃだめですよ!」

「分かってるつーの。俺はあんまり野菜は好きじゃねぇんだ」

「もう年なんだから…お肉ばかり食べてたらだめですよ」

「お前まで…俺のかーちゃんかっての!」

< 276 / 826 >

この作品をシェア

pagetop