【完】さつきあめ〜2nd〜
びっくりするほど普通に喋れていて、びっくりするほど和やかな雰囲気だった。
わたしたちのやり取りに涼と綾乃は顔を見合わせて笑って
こんなに楽しい時間が再びやってくるなんて、あの別れの日には思いもしなかった。
何でもない、当たり前の日々がどれほど大切だったかも。
付き合えなくても、恋人にはなれなくても、こうやって違う関係を作っていく事なら、出来るのかもしれない。

「はっぴーばーすでー!!」

3人で朝日へバースデーソングを歌って
そこにわたしの注文した猫のケーキが顔を出す。
昔見たのと同じような笑顔で、朝日は笑っていたんだ。

「すげぇな!今年は猫か!!あ!涼まだ手をつけんな!写真を撮るんだ!!」

そう言って、携帯のカメラを向ける朝日はまるで子供のようだった。
子供のようにはしゃぐ朝日を見て、安心してしまった。

綾乃が自分の携帯を手にもって、わたしにソファーに座れと言う。

そしてわたしと朝日に向かってカメラを向ける。

「なに、撮ってやがる。綾…」

「ほらほら、朝日もさくらも笑って」

初めて撮ったツーショット写真。
その後も4人で写真を撮ったりして、和やかな時間はあっという間に過ぎていった。

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