【完】さつきあめ〜2nd〜
いきなりふたりきりになって、さっきまでの雰囲気とがらりと変わったのが分かった。
皆といる時は良かった。けれどいざふたりきりになってしまうと、何を言っていいのか分からなくなって。
わたしと朝日はテーブルを挟んで向き合って座って、気まずい時間をやり過ごすようにお酒を口に含んだ。
ふとさっき朝日が寝室から持ってきた、何かが書かれている紙に目を向ける。
テーブルの上に並べられたその資料の中には………
「これっ!」
「あぁ……新しいお店の資料だ…」
朝日の夢…。ONEを超える、大きなお店を出す事。
これは、きっと。
「来年には出そうと思ってる」
来年、という言葉にふと南の言葉が思い浮かんだ。光が七色を超える店を来年に出そうとしてるって。
そんなところまで、同じなんて。
テーブルの上に置いてあった資料を手にして、止まる。
……こんな事が、本当にあるのなんて。
資料の1番上に、店名が描かれていて看板のデザインの候補が書かれていた。
「店名…これって…」
「皐月って書いて’さつき’」
そこに書かれていた花も、さつきの花だった。
宮沢さんは愛した女に花の名前をつけるんだ。
そして名刺には必ずその花のデザインをあしらう。
皆といる時は良かった。けれどいざふたりきりになってしまうと、何を言っていいのか分からなくなって。
わたしと朝日はテーブルを挟んで向き合って座って、気まずい時間をやり過ごすようにお酒を口に含んだ。
ふとさっき朝日が寝室から持ってきた、何かが書かれている紙に目を向ける。
テーブルの上に並べられたその資料の中には………
「これっ!」
「あぁ……新しいお店の資料だ…」
朝日の夢…。ONEを超える、大きなお店を出す事。
これは、きっと。
「来年には出そうと思ってる」
来年、という言葉にふと南の言葉が思い浮かんだ。光が七色を超える店を来年に出そうとしてるって。
そんなところまで、同じなんて。
テーブルの上に置いてあった資料を手にして、止まる。
……こんな事が、本当にあるのなんて。
資料の1番上に、店名が描かれていて看板のデザインの候補が書かれていた。
「店名…これって…」
「皐月って書いて’さつき’」
そこに書かれていた花も、さつきの花だった。
宮沢さんは愛した女に花の名前をつけるんだ。
そして名刺には必ずその花のデザインをあしらう。