【完】さつきあめ〜2nd〜
「朝日と一緒ならあたしはワンルームでも構わない」
その言葉に朝日は顔を上げて、不思議そうにわたしを見た。
「え?何?
ちょっと臭かった?もぉ~…恥ずかしい事言わせないでよ~…」
「いや、そうじゃなくて。
俺やっぱりお前のそういうところ好きだなぁって」
「どういうところよ……」
「俺結局今まで色々な女と付き合ってきたけど、結局女なんて俺の持ってる金とか俺の心が欲しくて
見返り求めてんだよ。
でもお前はさ、見返りとか求めなくても人に優しくする奴じゃん。
俺にだけじゃないって、お前のそれが生まれ持ってる性格だってのは分かってるけど
俺はお前のそういうところが好きなんだよなー…」
「いやいや、あたしは思ってるより欲深い人間だよ。
それに朝日が今まで付き合ってきた女の人だって、朝日の事が本当に好きだったと思うよ」
わたしの知ってる、ゆりやさーちゃんだってそうだ。
けれどこの人は愛情の受け取り方がとてもへたくそな人で。
「そんな事ねーよ。
俺は結局金もあるし、付き合ってきた女には不自由もさえなかったし
色々な物買い与えてきて、変わっていく女も沢山いたし
特に夜の女なんて皆欲深い女ばかりだしな」
「でも夜の女と結局付き合ってんじゃん」
「やっぱ俺、マザコンなのかな?」