【完】さつきあめ〜2nd〜
朝日は普段回転寿司に行かない。
回らないお寿司ばかり食べると言っていたから、回転寿司なんてここ最近行った事がないと嫌がったけど、結局回転寿司に行く事になる。
「回転寿司って言ったっていまはもうタッチパネルで注文じゃねぇか。
お寿司も回ってないし。
普通の寿司屋に食いに行く方がうまいのに…」
「もぉ、うるさいなぁ~!
回転寿司好きなんだよ」
「お前は本当に安上がりな女だよ」
「人を安い女みたいに言わないで!
回転寿司に来たらお寿司だけじゃなくてラーメンや唐揚げもあるし、デザートまであるんだぞ!」
朝日はまじまじとメニュー表を見て、妙な感心をしながら頷く。
「たしかに。
今どきの回転寿司はすげぇな。
俺が見たことのねぇようなネタもあるし。
え!ハンバーグなんてあるのかよ?!お!オムライスまで!回転寿司すげぇ!!!」
「ね!すげぇでしょ?!
色々なのいっぱい食べたいからひとつ頼んで全部半分こしようね!」
「貧乏くせぇ…。好きな物頼んで、食えなかったら残せばいいじゃねぇか」
「ダメです!食べ物を大切にしない人は嫌いです!」
朝日に向かってそう言うと、朝日はぷっと噴き出した。
そして笑いながら、またわたしを喜ばすような事を言うんだ。