【完】さつきあめ〜2nd〜

「俺、お前のそういうところ好きだわ、やっぱり」

「そういうところってどういうところ?!
貧乏性なところ?!」

「まぁいいや、じゃあ注文しよっと。まずハンバーグとオムライスと~」

「え~…さっそくそんな変わり種から行くの?!」

互いに顔を見合わせて笑いあう。
今日は笑ってばかり。いや、朝日と付き合うようになって、わたしは笑ってばかりだった。

朝日はわたしに沢山の感情をくれる人。
嬉しい事だけじゃなくて、悲しい事も、けれど一緒にいたらこんなにも暖かい気持ちにさせてくれる。
もう十分、さーちゃんが朝日を好きになった理由が分かったよ。
好きだけど、時々ぎゅっと締め付けられるような切ない気持ちになる時間もある。

今日1日ふたりで初めてデートらしいデートをして、楽しい事ばかりで時間はあっという間に過ぎた。

「今日うちに泊まるだろ?」

帰りの車の中で朝日が聞いてくる。
泊りに行くというか、毎日朝日の家に帰っているようなものだから、自分の自宅には全然帰らなかった。
もうほぼ同棲状態だった。

「ん~…」

「え?!そこ迷うところ?!」

「じゃあ聞かないでよ~…。
でも、たまに家に帰って掃除でもしなきゃ行けないから今日は帰ろうかな~って」

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