【完】さつきあめ〜2nd〜
夏か終わる、秋に近づく夜風がすり抜けていく。
ふいに朝日はわたしを抱きしめた。
「お前はもう、どこにも行かないよな」
「行かないよ。どこにも」
そう言ったら、わたしを抱きしめる朝日の腕の力が強くなった。
「さて、今日はここに泊まっていくか」
「えぇ?!泊ってくの?」
「たまにはお前のベッドでもいいだろ」
「……はぁ~……」
「なんだよ!そのため息は!」
文句を言いながらも、朝日はわたしを抱きかかえて、ベッドまで運ぶ。
この人の温かい体温にくるまれて、いつまでもこの時間が終わらない事を願っていた。