【完】さつきあめ〜2nd〜
「そんな事思ってないですよ!由真さんには感謝してもしきれないくらいですし
それにあたし双葉の雰囲気好きですし」
「その言葉、僕たちに気を使って言ってもらってると思うと、とても嬉しいです。
新店は宮沢さんがゆりさんを顔にって思ってるみたいですけど。…僕はさくらさんが新しいお店の顔になる姿もちょっと見て見たかったりして…
でも今、ONE自体が派閥があるみたいで、それで移動させるみたいですよ。後、ゆりさんがいなくなった後はTHREEの菫さんがONEに移籍するみたいです」
「菫さんが?!」
「えぇ、元々ONEはやり手の女の子たちが多いから、ナンバー1のゆりさんとナンバー2の女の子の折り合いが昔から悪くって。
ゆりさん派の女の子はゆりさんと新店の方に行くって話ですよ。
でもONEとしてもゆりさんが抜けるのが痛手になるので、菫さんをONEに置くって言っていました」
菫が……。
きっと菫はわたしを良くは思っていないだろう。
そう考えれば、新店の皐月でもONEでもわたしの居場所なんてない。
きっとONEに菫を置くっていうのも朝日の考えだっただろうし、ゆりにしたって菫にしたって朝日が認めている事実に変わりはない。
けれどあの人たちはそれくらいすごい人なんだって事、わたしだって分かってる。
彼女という立場と他に、朝日の1番の信頼を得たいだなんて、我儘な願いだよね。
「ゆりさんの派閥にいる女の子たちって気が強い子が多いから、まぁ働きにくいと思いますよ」
「そうですか………」