【完】さつきあめ〜2nd〜
その日仕事が終わって朝日の家に帰ると、珍しく朝日の方が先に家に帰ってきていた。
音も立てずに静かにリビングの扉を開くと、パソコンと難しい顔をして睨めっこしていた朝日が、ふぅーっと大きなため息をついて頭を抱えていた。
カシャン、と持っていた鍵の音が室内に響いて、ハッとしたように朝日は顔を上げ、わたしに向かって笑顔を見せる。
「おかえり。何だ帰っていたのか、全然気づかなかった」
「ただいま……珍しいね、早いの」
新店の準備で忙しいのは知っていた。
それでも欠かさずに家に帰ってきてくれて、出来るだけわたしとの時間を作ってくれていたのは知っていた。
休日だって、色々なところに行った。
まるで今までの時間を埋めるように。
それが時たま朝日を疲れさせてしまっているんじゃないかなって思ってた。そう言っても、朝日はわたしとの時間を優先的に大切にしてくれた。
朝日は立ち上がりキッチンへ向かい、ミネラルウォーターを取り出してこちらへ渡す。
「おつかれ。
パソコンがありゃー家でやっても会社でやっても大した仕事も変わらないから、早めに帰ってきて仕事してたんだ」
渡されたミネラルウォーターを一口飲んで、冷蔵庫を開く。
「お腹空いてる?」
「ん~?
さくらも仕事で疲れてるだろう。全然休んでたっていいんだぞ」
「いや……だいじょうぶだよ。何か軽い物でも作ろうか?」
「じゃ!オムライス!」
「オムライス好きだねぇ」
音も立てずに静かにリビングの扉を開くと、パソコンと難しい顔をして睨めっこしていた朝日が、ふぅーっと大きなため息をついて頭を抱えていた。
カシャン、と持っていた鍵の音が室内に響いて、ハッとしたように朝日は顔を上げ、わたしに向かって笑顔を見せる。
「おかえり。何だ帰っていたのか、全然気づかなかった」
「ただいま……珍しいね、早いの」
新店の準備で忙しいのは知っていた。
それでも欠かさずに家に帰ってきてくれて、出来るだけわたしとの時間を作ってくれていたのは知っていた。
休日だって、色々なところに行った。
まるで今までの時間を埋めるように。
それが時たま朝日を疲れさせてしまっているんじゃないかなって思ってた。そう言っても、朝日はわたしとの時間を優先的に大切にしてくれた。
朝日は立ち上がりキッチンへ向かい、ミネラルウォーターを取り出してこちらへ渡す。
「おつかれ。
パソコンがありゃー家でやっても会社でやっても大した仕事も変わらないから、早めに帰ってきて仕事してたんだ」
渡されたミネラルウォーターを一口飲んで、冷蔵庫を開く。
「お腹空いてる?」
「ん~?
さくらも仕事で疲れてるだろう。全然休んでたっていいんだぞ」
「いや……だいじょうぶだよ。何か軽い物でも作ろうか?」
「じゃ!オムライス!」
「オムライス好きだねぇ」