【完】さつきあめ〜2nd〜

今日のトリガーは週末らしくお客さんが結構入っていて
綾乃とはるなはまだお店に着いていなかった。
けれどトリガーの扉を開けた瞬間にわたしを呼ぶ声が聞こえて、そこで飲んでいる人を見て、レイとふたり時が止まってしまった。

…何でこんな所に。

「あぁー!!!さくらちゃん!!!ちょうどいいところに!!」

わたしの名前を呼んだのは、SKYでもあった南で、その横に光が座っていて
いつものように無表情で涼がカウンターに立っていた。
その涼が驚いたような表情を浮かべていて、それとは真逆で南の隣に座っていた光は一瞬驚いた顔をして、すぎに笑顔になってこちらに向かって微笑んでいる。
大好きだった人の…大好きだった笑顔。その全てを過去に置いてきた。

「わぁー光じゃん!!!!ちょー久しぶり~!!!会いたかった~!!!光ー!光ー!」

ご主人を見つけた犬のようにレイはすぐに光の側に行って、嬉しそうに笑っている。
それに応えるように光はレイの頭を撫でて優しく笑う。

「おう、レイ。久しぶりだな!元気にしてたか?!」

「見ての通りちょ~!元気だよ~!!光は痩せたね!!ちゃんと食ってんのかー!!」

「食べてるよ!レイは少し肥えたな」

「うるさい~!!それは言わない約束だよ~!!!」

トリガーの入り口の前で立ち尽くすわたしに、涼が駆け寄ってきて、心配そうに顔を覗き込んできた。

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