【完】さつきあめ〜2nd〜
焼酎の緑茶割を作った涼はそれをわたしへ差し出して
空気を読んでかなんなのか、カウンターの奥へ引っ込んでしまった。
こういう時涼の空気の読める性格が、少し嫌になるよ。
「夕陽…………」
ずっと聞いてなかった名前。
光全然変わらないね。
誰もいない空間では、必ずわたしをさくらと呼ぶけれど、ふたりきりになれば絶対に夕陽と呼んでくれた。
朝日はそれを光とわたしの特別な物だとずっと思っていた。そのせいなのか、本名を知っていても朝日は昔と変わらずにさくらと呼び続けていた。
それはほんの少し寂しかった。
「光、めっちゃ痩せたじゃん…」
「そうかな?まぁダイエット?」
「そんな細いくせにダイエットなんかする必要ないんだよ……。
仕事忙しいの?無理してるんじゃないの?」
「仕事はお陰様で順調。オーナーって昔見てる分には楽そうだなぁって思ったけど、責任が大きいし、意外に雑務もあって忙しかったり。
夕陽は仕事頑張ってるみたいだね。よく話聞くよ」
「別に光ほど忙しくもないし、大変でもないよ」
「つーかレイとめっちゃ仲いいのな!意外だったわ!
まぁ夕陽は性格もいいし、人に好かれるタイプだからな!」
「そんなの、光にだけは言われたくないよ……」
空気を読んでかなんなのか、カウンターの奥へ引っ込んでしまった。
こういう時涼の空気の読める性格が、少し嫌になるよ。
「夕陽…………」
ずっと聞いてなかった名前。
光全然変わらないね。
誰もいない空間では、必ずわたしをさくらと呼ぶけれど、ふたりきりになれば絶対に夕陽と呼んでくれた。
朝日はそれを光とわたしの特別な物だとずっと思っていた。そのせいなのか、本名を知っていても朝日は昔と変わらずにさくらと呼び続けていた。
それはほんの少し寂しかった。
「光、めっちゃ痩せたじゃん…」
「そうかな?まぁダイエット?」
「そんな細いくせにダイエットなんかする必要ないんだよ……。
仕事忙しいの?無理してるんじゃないの?」
「仕事はお陰様で順調。オーナーって昔見てる分には楽そうだなぁって思ったけど、責任が大きいし、意外に雑務もあって忙しかったり。
夕陽は仕事頑張ってるみたいだね。よく話聞くよ」
「別に光ほど忙しくもないし、大変でもないよ」
「つーかレイとめっちゃ仲いいのな!意外だったわ!
まぁ夕陽は性格もいいし、人に好かれるタイプだからな!」
「そんなの、光にだけは言われたくないよ……」