【完】さつきあめ〜2nd〜
⑰
どこまでも弱いわたし。
遠くなっていく意識の中で、さーちゃんが近くにいるような気がした。
いつもと変わらず笑っていたのに、どこか泣きそうに笑っていた。
手を伸ばして、声を掛けようとしたけれど、声が出なくて、どんどん遠くになっていくさーちゃんに、手を伸ばしても段々遠くなっていくばかりだった。
目を覚ました時に、雨はすっかりと上がっていた。
懐かしい匂いのするベッドに入って、汗なのか雨のせいか分からないのだけど、体が濡れていた。
けれど大きなティシャツとジャージに着替えていて、そこからも光の匂いがした。
カーテンの隙間から僅かな光りが漏れる。それを見ただけで、今日が晴天なのだと分かった。
そしてベッドの脇にはスーツを着たままベッドに寄りかかって眠る光がいた。
「光!!!」
思わず大きな声を上げてしまって、その声に光はゆっくりと目を開ける。
「あぁ、おはよう。だいじょうぶか?」
そう言って、わたしの側に来て光は頬に手を充てた。
「熱はないみたいだな。
昨日ちょっと熱かったけど、これならだいじょうぶそうだな。
…一応今日はお店を休んだ方がいい。連絡しておきな」
そう言って、携帯を置いた。
「光…あたし…」
「あぁ、雨でびしょびしょだったから着替えさせた。
だいじょうぶ、見てねーから!」
そう言って、光は優しく微笑む。
遠くなっていく意識の中で、さーちゃんが近くにいるような気がした。
いつもと変わらず笑っていたのに、どこか泣きそうに笑っていた。
手を伸ばして、声を掛けようとしたけれど、声が出なくて、どんどん遠くになっていくさーちゃんに、手を伸ばしても段々遠くなっていくばかりだった。
目を覚ました時に、雨はすっかりと上がっていた。
懐かしい匂いのするベッドに入って、汗なのか雨のせいか分からないのだけど、体が濡れていた。
けれど大きなティシャツとジャージに着替えていて、そこからも光の匂いがした。
カーテンの隙間から僅かな光りが漏れる。それを見ただけで、今日が晴天なのだと分かった。
そしてベッドの脇にはスーツを着たままベッドに寄りかかって眠る光がいた。
「光!!!」
思わず大きな声を上げてしまって、その声に光はゆっくりと目を開ける。
「あぁ、おはよう。だいじょうぶか?」
そう言って、わたしの側に来て光は頬に手を充てた。
「熱はないみたいだな。
昨日ちょっと熱かったけど、これならだいじょうぶそうだな。
…一応今日はお店を休んだ方がいい。連絡しておきな」
そう言って、携帯を置いた。
「光…あたし…」
「あぁ、雨でびしょびしょだったから着替えさせた。
だいじょうぶ、見てねーから!」
そう言って、光は優しく微笑む。