【完】さつきあめ〜2nd〜
「俺だったら、あんたみたいに悲しい思いをもうさせない」
「は?言ってる意味がわかんねぇなぁ?」
「意味がわかんないのはあんたがとってる行動も一緒だよ。
結局あの女の子に子供産ませるの?責任とるって?あんたの子かあんたの子じゃないかってのは俺にとっちゃーどうでもいい話だよ。
けれど責任ってどこまで?あの子と結婚でもしてやるつもりか?」
「結婚なんてするつもりはない」
「自分の子供かもしれない命を、自分と同じ境遇にしたいって事か」
「………」
「それこそがあんたの1番憎んでいた男としている事は同じじゃないか。
そしてあんたは自分の母親が味わった気持ちをあの子に味合わせるつもりか?」
「それは……」
「夕陽とはどうするつもりだ」
「俺はさくらとは別れるつもりはない」
「…やっぱりあんたは無責任だよ。
あの子とも結婚するつもりもなければ夕陽とも別れるつもりはない。
それでも自分の子供を産ませるってどれだけ残酷な事か分かる?
誰にとっても残酷な答えだよ、それは………」
光の言葉が耳に響いていく。
体中の力が抜けてその場にぺたりと倒れこむ。
どうすればいい?どうしたらいい?
その全ての現実を受け入れられる程、強くはないの。